昔々繁木(しげるき)と呼ばれた、うっそうと木々のおいしげった山深い窯の里に、鉄やんというたいそう腕のたつやきもの師がいたそうな。さすが京のみやこ音羽の山にこもって、ながい間やきものの修業をつんだだけあって近所でも評判の働き者で、鉄やんの作ったしろもんは、なんでもよう売れたそうな。なかでも鉄やんが作った置物は、つくりがよおて虎や猿など動物からだるまさんや仏像までなんでも手早くさいくしてしまう、がんこな職人なかまもみんな「鉄やんの腕にはかなわん。まいった!まいった!」と近在でたちまち有名になってしもうたそうな。ある晩、それはまんまる月夜のことじゃった。いつものように、夜おそくまでしろもん作りに、せえをだしていた鉄やんが、仕事小屋にこうこうとさしこむ月の光にさそわれて外に出てみると、のぼり窯のあたりが、なんとなく、騒ぞうしいのにきづいたそうな。月のあかりをたよりに、おそるおそる近づいてみると、なんと狸の家族が集って、酒盛りの真最中!月夜に、うかれて腹づつみ!
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まっ赤な顔した父さん狸、
大きなお腹をポンポコポン!
母さん狸も、楽しくポン!
子狸そろって、はしゃいでポン!
みんなで仲よく、ポンポコポン!
それを見ていた鉄やんは、ひょうきん狸に無我夢中!夜のふけるのも忘れて、いつまでも見とれていたそうな。時のたつのを忘れてしまった鉄やんが、なにを思いついたのか、急いで仕事小屋にかけこんであごに手をおき考えた。ながい思案のすえ、粘土をつみつみ得意のさいくで作り上げたのが、しがらき狸のはじまりじゃそうな。
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「あんの あんの いうたろか!」
つげ笠かぶって おどけ顔
おおきな お腹に 通い帳
徳利さげて 福まねく
「あんの あんの いうたろか!」
ふる里しがらき あとにして
きょうも他国に おこしいれ
ぶ一ら ぶ一らと 参いろうぜ
