企業がアクセシビリティ対応を行うメリット

残念ながらアクセシビリティ対応しているウェブサイトはまだ数が多いとは言えません。流行のデザインや色合いを取り入れたウェブサイトは、アクセシビリティ配慮がされたものであると必ずしも言えないのが現状です。例えば薄い色合いの文字は高齢者には見えにくく、背景が動くと集中して読めない方もいらっしゃいます。デザインの自由度がなくなると感じる中で企業はなぜアクセシビリティ対応をするべきなのでしょうか。

どの利用者にも使いやすいサイトになる

背景色とテキストのコントラストに関するアクセシビリティ要件は、デザインに制限を生じる可能性があります。しかし、このアクセシビリティ要件があるからこそウェブサイトを見ることができる方がいます。また閲覧をするデバイスや環境、操作方法もそれぞれ異なります。アクセシビリティ対応されたページは障害の有無・年齢・利用環境を問わずにアクセスできる情報を提供できますので、多くの利用者にとって使いやすいウェブサイトとなります。

SEO対策

アクセシビリティ対応を行うことは人だけでなく、マシンリーダブル(機械が読みやすくする)にもなります。プログラムでも内容を理解しやすいため検索サイトでの表示順位が上位に表示されやすくなる傾向があります。これは正しいソースコードで書かれていればどのブラウザでも問題なく表示できるなど、利用しやすいウェブサイトとして扱われるためです。

訴訟対策

2019年に海外で全盲のファンの方が女性歌手のウェブサイトがアクセシブルではないとして運営会社に対して訴訟を起こしました。こうした訴訟は以前からあり、全てのウェブサイトにおいても同じようなことは起こりえます。日本の企業でもグローバル展開している場合は注意が必要です。今回訴訟を起こしたファンの方にとっては、自分がアクセスできないウェブサイトによって好きなものから拒絶されたように感じたのかもしれません。これらの面からもどのような利用者にも見たり使ったりして好まれるウェブサイトにすることが大切なのです。

ESG対策

ESGとは環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の略です。ESGは企業が成長する上で求められる社会的責任の指標の一部に用いられ、欧米ではESGが投資の目安にもなっています。昨今、ESGを意識した投資ではリターンが高く、リスクが小さいという研究結果もあり、企業価値向上につながってきています。ウェブアクセシビリティも社会的な面で価値を与えています。またCSR(社会的責任)からもアクセシビリティ対応は今後ますます重要なものになってきます。 日本でも大手航空会社がESGあるいはCSR施策の一つとしてアクセシビリティ対応の為に動き始めるなどその機運が高まっているのです。

インバウンド対策

日本のグローバル化は目覚ましいものがあります。日本企業のウェブサイトは今や海外からの就労者、旅行客も閲覧し、日本人だけが見るものではなくなっています。運営されているウェブサイトに英語表記にさせるボタンを設置している企業も多くみられます。 では、外国人が画像に書かれた日本語の意味を調べるとき、どのような画像であれば調べやすいでしょうか?ひらがな、カタカナで48字、漢字であれば10万字を超えると言われています。読み方のわからない文字を調べるのは大変なことです。ウェブアクセシビリティには「画像化された文字を使わない」「画像にはaltで説明を加える」という規格がある為、画像の中の文字をaltで説明することで、調べやすくなっています。ウェブアクセシビリティは高齢者や障害者だけではなく使用言語が異なる人にとっても使いやすくする方法なのです。

国際規格に沿うことによる安心、信用

JIS X 8341-3はウェブアクセシビリティの国際規格「ISO/IEC 40500」と同等です。この規格に沿って作られていることの証明は、ユーザーに安心や信用を与えることにつながります。見にくかったり、必要な情報がどこにあるかわかりづらくアクセスしにくいサイトは、利用者にとって不信の原因にもなります。規格に従うことで見やすく必要な情報にアクセスしやすいページとなること、世界標準のサイトであることの2点は大きな安心や信用を与えられます。