協業検査事業について

当社提供のWebアクセシビリティ検査は当社に所属する認定検査員によって行われています。それぞれの認定検査員は、その地域のNPO等の団体・組織の中にチームを組み、検査はその団体・組織単位で進められます。これを協業検査事業と呼んでおり、現在、全国で8つの団体・組織が活動を行っています。

このページでは、その仕組みをご紹介しますので、同じように協業検査事業に参加してみたいという団体・組織の方がいらっしゃいましたら、ぜひ、弊社までお問い合わせ下さい

1. 検査団体が行うアクセシビリティ検査(試験)

アクセシビリティ規格に従って、適切にWebサイトが構築されているかを確認する作業をアクセシビリティ検査もしくはアクセシビリティ試験といいます。

検査と試験の違い

違いはありません。JIS規格では目視で規格適合性を評価することを検査と表現しますが、JIS X 8341-3:2016では規格書の中で「試験」という言葉が用いており、また、みんなの公共サイト運用ガイドラインの中でも「試験」という言葉を用いているため、日本では広くウェブアクセシビリティ試験と称されることが多くなっています。

アクセシビリティ規格

2016年に改定された日本産業規格「高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器,ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ」JIS X 8341-3:2016 (ISO/IEC 40500:2012)がアクセシビリティ規格として存在しています。内容は、国際規格であるW3C Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.0 と同一のものになっています。

2. アクセシビリティ検査の進め方

検査はWebアクセシビリティの知識を持つ検査員がツールによる診断を活用しながら目視で判定を進めます。検査項目は検査ページによりますが200項目以上あり、1ページには複数の検査箇所があります。1ページあたりの検査箇所数が1,000を越えることも珍しくありません。時間にすると2〜4時間程度かかることもあります。また、一般に40ページ程度は検査しますので、1人で検査作業を進めると納期に間に合わせることは難しく、通常は3~5名程度のチームを組んで、共同で検査を行います。 そのため、共同作業環境も重要であり、当社では共同作業のプラットフォームとして、クラウドサービス Libra Plus 検査システムを開発しご利用いただいています。

Libra Plus

Libra Plus には要検査箇所を示す機能があります。検査員はLibra Plusにより指摘された箇所を、コントラストを計る検査ツールを使ったり、ソースコードを確認したり、キーボード操作での動作を確認したりしながら、その結果をLibra Plusに記録していきます。もし、問題を見つけた場合は、問題箇所、問題内容、修正案もLibra Plusに記録します。Libra Plusを通して記録された内容は検査員全員に即座に共有されます。最終的には、全ての検査結果はまとめられ、達成基準チェックリスト、達成方法チェックリストや検査証が自動生成されます。

検査員

検査員は当社InfoCreate Collegeが提供するアクセシビリティ検査技術者検定に合格し、一定の訓練を受け、その力量が認められた場合に、当社の認定検査員として登録されます。当社の認定検査員は、身体に障害を持つ方が多く、また全国に広がるため、その検査員の所属する地域のNPO団体や特例子会社に所属していただくようにしています。検査案件の発注・お支払いも、認定検査員に直接ではなく所属する団体・組織に対して行っています。なお、この役割をお願いしています団体・組織のことを検査団体と称させていただいています。

検査団体

2022年3月現在、当社と共に検査をすすめる検査団体は、全国に8団体あります。北は札幌から南は沖縄まで、段々と全国に広がりつつあります。検査団体の無い府県も多くありますので、関心のある団体・組織の方は、ぜひ、当社までお問い合わせください。

8団体を日本地図上にマップした図
非営利団体
企業

3. 協業検査事業に参加するには

まず検査員となるべくWebアクセシビリティについての知識を有した検査員を育てることが必要です。人数としては、3〜5名は必要となります。少なくとも1名は、簡単なホームページの制作経験がある方が良いでしょう。後述のように検査員を育て、検査団体として当社とご契約いただきます。おおむね、半年から一年くらいはかかると見て頂いていた方が良いでしょう。

1. 検査員を育てる

検査員を育てるためのオンライン学習システムを用意しています。これを利用してアクセシビリティに関する学習を進め、検定試験を受けて合格していただく必要があります。検査団体あるいは検査団体候補に所属する方は無償でこれを受講が可能です。(一部制限あり)また、実習にも参加していただきます。実習の経験も積み、検定にも合格していれば、晴れて晴れて検査員への登録となります。
HTMLに関する基礎知識は前提として必要となります。必ずしもHP作成に長けた人材が必要なわけではありませんが、HTML/CSSを駆使して、簡単なホームページを作成することの出来る程度の知識はあった方が学習はスムーズに進むでしょう。可能ならば、JavaScriptやPHPに関するような専門知識を持つと更に活躍することができます。

2. 検査団体としての体制を作る

認定検査員の資格を持つメンバーを最低でも3名は育ててください。また、当社とのやり取りを行う責任者も1名必要です。(兼務可能)特に大切なことは、検査はチーム作業になりますので、統括する方が全体をよくまとめ、個々の検査環境が適切なものか確認し、個々の身体の状況にも適切に配慮できることが求められます。

3. 契約する

検査の対価はページ単位でお支払いしています。成り立ての検査団体の場合は、1ページあたり2,500円をお支払いしています。さらに経験を積み、役割も増えていくと、5000円以上のお支払いもさせていただくことも可能になります。

4. 協業検査事業の基本的な流れ

典型的な検査の流れを説明します。

  1. 当社からの検査実施の打診
    メールでページ数、納期などお知らせし受注可能か事前に確認します。
  2. 当社からの発注、検査団体の受注
    条件が合い、受注していただける場合は発注させていただきます。
  3. 検査団体の検査の開始
    Libra Plus に登録された検査対象ページに従って検査を進めていただきます。
    (典型例として、40ページの検査の場合は、次の納品前確認を含め4週間程度)
  4. 納品前の確認
    検査が終了しても直ぐに納品しません。一度、検査団体様の中で、検査結果を検査員同時で相互にチェックし、検査品質を高めていただきます。
  5. 納品
  6. 当社での品質チェック
    検査団体の経験に合わせて、当社でも検査結果の品質チェックを行います。もし、適切でない検査がされている箇所があれば、修正を依頼することがあります。
  7. 検収・お支払い

5. 私たちと一緒にアクセシビリティ検査を

協業検査事業は社会が抱えるWebアクセシビリティの課題を解決していくことに直接的に貢献ができる意義高い事業です。私どものWebアクセシビリティ検査をご利用いただいている官公庁・自治体は大変な数になります。さらに、企業からのご依頼も増えており、減る様子はありません。名を知られた団体、あるいはそうでなくとも、検査し、問題を指摘し、それが改善されていくことに携わることは、時に感動さえ得ることができます。

事業としてみたときも、少なくない額が対価としてお支払いできるようになっています。検査になれてくると、検査以外の業務、例えばガイドラインの作成やお客様に対するQA対応なども熟すことが出来るようになります。在宅で、かつ、障害の有無に関係無く活躍できる事業としては、他には無い素晴らしいソーシャルビジネスになりつつあると考えています。

今後の可能性としても、Webアクセシビリティへの取り組みは確実にさらに強く求められるようになると考えています。例えば、規格が更新されることでの新たなニーズ、モバイルアプリケーションに関する検査なども増えていくことが予想されます。改正された障害者差別解消法の施行も大きな後押しになることは間違いありません。

また、検査団体様は、地域あるいは全国を対象に、皆様自身で案件を自主的に獲得すれば、より利益率の高い事業を展開することも可能です。この場合、認定検査機関としての検査にはなりませんが、Libra Plusを活用し、いつもと同じように検査し、検査団体ロゴ入りの検査証をお客様には納品します。

協業検査事業において当社が提供するもののまとめ