制作会社様向け「アクセシビリティ対応を仕様に含む仕様書の読み方」

官公庁・自治体におけるウェブサイトのリニューアル案件では、必ずアクセシビリティ対応が求められます。弊社のサービスを活用すれば、皆さまの作業負荷は大きく減らせます。弊社からの情報をもとにアクセシビリティ対応を進めることで、アクセシビリティの知識を身につけていくことも可能です。

仕様書の読み方のポイントを以下ご説明します。ポイントは8つに分けられます。

1. JIS X 8341-3:2016 適合レベル

仕様書には「JIS X 8341-3:2016 レベルAA への準拠」と記述されているはずです。総務省が「みんなの公共サイト運用ガイドライン」でそのように求めているからです。これに加えて、「レベルAAAも可能な限り対応すること」のように記述されている場合は要注意です。達成基準はレベルAが24項目、レベルAAが13項目、レベルAAAは23項目もあります。また、レベルAAAは難易度の高いものが含まれており、AAA項目を比較的多く取り入れている内閣府でさえ追加のAAA項目は6個にすぎません。これでも、守るのはなかなか大変です。

まず、お客様の現行サイトのアクセシビリティ方針を確認し、そこで追加を宣言している項目に準ずるのが良いでしょう。あるいは、採用するCMSを考えて、これは確実に守ることができるという項目があれば、それを追加するのが良いでしょう。

「準拠」という言葉はWAIC(情報基盤委員会)が定義しているものです。事前に、これを読んで正しく内容を理解しておくことも必要です。
https://waic.jp/docs/jis2016/compliance-guidelines/201603/

2. アクセシビリティ試験の実施

求められる試験(検査)には2種類あります。大まかに言えば、総務省提供の評価ツールmiChecker(*1)を用いたプログラム検査と、アクセシビリティに知見を持つ人が行う目視検査です。この両方が求められることもあります。

例えば、次の様な記述がありませんか?

『アクセシビリティの評価は、総務省より配布されたアクセシビリティ評価ツール( miChecker )を用いた試験を行うこと。また、ホームページ公開後、同試験結果を公開すること。』

miCheckerを用いた診断は、弊社ではmiCheckerを検証エンジンとして組み込んだ弊社オリジナルのツールを提供しています(クラウド検査サービス)。これを用いると1000ページでも10万ページでも自動で検証が可能になります。検証結果は修正時に利用しやすいようにエクセル形式で、また、修正の方策を立てたり、修正の進捗確認のためのビジュアルなレポートも利用可能です。あるいは、弊社がとして試験を実施し結果を整理してご報告することも可能です(プログラム検査サービス)。

目視による試験は多くの場合 40ページを検査対象ページとしています。複数のドメインがある場合は、さらに増えることもあります。試験対象ページは仕様書に明記されている場合はその方法で、されていない場合は、受注者側で提案し了承を得る必要があります。弊社にお任せ頂ければ、発注者様の納得のいくページ選定、そして経験豊富な検査員による目視検査を短い時間で実施いたします(規格適合性検査サービス)。

3. アクセシビリティ試験結果の公開

ほとんどの仕様書では、試験後に試験結果を公開することを求めています。全ページの全達成基準が適合であれば、簡単に試験結果ページは作成可能であり公開も容易です。しかし、1つでも問題が見つかっている場合は、慎重に試験結果ページを作成する必要があります。適切でない書き方をすると、市民・県民からクレームの対象となるからです。また、お客様にご理解いただくことも大切です。

弊社では、公開可能な試験結果を規格適合性検査サービスの中で検査証明書という形式でページ単位で提供させていただいております。問題が残っている場合は、それをどのように表現すれば良いか一緒に考えご提案させていただくことも、方針策定支援サービスの中でさせていただいております。

4. アクセシビリティガイドラインの作成

仕様書にアクセシビリティに関するガイドラインの作成あるいは更新が求められている場合があります。大抵は職員向けのガイドラインです。また、CMSの利用を前提としたものが多いようです。(私どもの経験上、CMS操作マニュアルに統合するのが効果的なのですが、お客様の仕様で別途作成することが求められている場合は、独立した冊子を作成することになります。もったいないといつも思います)

職員向けのガイドラインと言っても、お客様ごとにご要望は異なります。例えば、次の様なものがあります。

チェックリスト、各種チェックツールの使い方、リンク集、規格の説明などを含める場合もあります。

弊社ではお客様がご要望になるガイドラインを、ガイドライン作成支援サービスとして新規作成あるいは更新作業をさせていただいております。

5. アクセシビリティ職員研修

Web制作を担当する職員を対象として、アクセシビリティ研修が求められている場合も多くあります。CMSのみで編集されているお客様の場合は、HTMLソースでの説明は難しい場合が多く、CMSでの具体的な操作方法を示しながらの研修が効果的です。また、例示として、そのお客様のサイト例を盛り込むことも効果的です。標準的な研修資料をお持ちだったとしても、それなりに準備には時間を要すると考えておいた方が良いでしょう。

また、研修はWeb制作の担当者だけでなく、その上司の方、直接にはWeb制作には関わらないような方にもご参加いただける基礎的な研修を含めると良いでしょう。職員の方がアクセシビリティに配慮したページ作成を行うには、上司の正しい理解が必要だからです。

弊社では中央官庁、自治体、独立行政方針や企業など、様々なお客様に、そのお客様に合わせた研修サービスを提供しております。お客様からのご要望にも細かく対応しておりますので、弊社にお任せいただければご安心いただけると思います。

6. CMS移行計画

移行作業におけるアクセシビリティ対応を怠ると、リニューアル終盤でとんでもない量の作業に追われることになることがあります。早めに問題を特定しておき、移行時に確実に潰していくことがとても大切です。それにかかるワーク量も予め見積っておくべきです。そのためには、お客様が求めていてもいなくとも、ツールを用いた診断をリニューアル前のサイトに対して実施しておくべきです。

弊社のプログラム検査サービスでは、気軽に何度でも検査を実施していただくことが可能です。まず、リニューアル前のサイトに対して初回の診断を行い、修正すべき問題点を見つけておきます。CMSのテンプレートを作成した段階では、そのCMSが生成するhtmlページに対して2度目の診断を実施し、問題があれば改善しておきます。このステップを踏むことで、移行作業はスムーズに進むようになります。

7. アクセシビリティコンサルティングあるいは技術支援

仕様書の中で「アクセシビリティ全般に関するコンサルティングを行うこと。」という表現を見ることが多くなっています。ここで言うコンサルティングとは、いろいろな期待が込められている可能性があるため、事前にその内容を確認しておくべきですが、「総務省のみんなの公共サイト運用ガイドラインが求めているようなアクセシビリティ活動を、私たちが適切に実施できるように導いてください」という意味で捉えるのが適当と思います。

具体的には、アクセシビリティに関するお客様の疑問に答え、ワールドワイドの状況やアクセシビリティに関する最新の情報を提供すること、お客様が抱えているアクセシビリティの課題(例えば維持・向上のための運用プロセス)について、的確にアドバイスすることができれば、お客様にはご満足いただけるはずです。当社のサービスとしては、全体の見積り額に、妥当な技術支援費を加えさせていただき、支援を提供させていただきす。

アクセシビリティ読み上げ支援機能

ホームページを音声で読み上げるツールの導入が求められていることがあります。例えば、総務省の公式ホームページには弊社のアクセシビリティ閲覧支援ツールが導入されています。ご利用者の負担無く、容易にホームページを読み上げさせることのできる便利なツールです。

こうしたツールの提供には注意が必要です。お客様によっては、ツールさえ導入すればアクセシビリティが確保できると勘違いしている場合があります。制作会社の皆さまは仕様書で求めら提供するにしても、お客様に次のことを説明し正しい理解を持っていただくことが大切です。

「ブラウザが似た機能を持つのだから、そもそもこんな支援機能は必要ない」という考えもありますが、障害の多様性を理解していないかもしれません。障害によっては、自分にとってどのような支援が適切かを知ることが難しく、こうしたツールから知ることもあります。また、ツールが提供され有効性が利用者に評価されることで、ブラウザへの標準搭載にも繋がります。

まとめ

1〜8全てが常に求められるわけではありません。場合によっては、プログラム検査サービスのみが求められる場合もございます。どのような場合でも、弊社では多くの中央官庁・自治体・企業のお客様へのサービス提供の経験をもとにして、皆さまが皆さまのお客様に仕様を十分に満たすサービス提供を可能にし、かつ、皆さまの作業の負担を軽減するようなご支援させていただきます。

どうぞ、弊社のサービスのご利用をご検討ください。